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みんなの切り絵博覧会

無期延期となりました切り絵博覧会ですが、、出展者のみなさまを中心とした、オンライン展覧会プロジェクトが発足されています。私もこれに参加して、今回出展予定だった作品を公開しています。本HPのコピーのなりますが、ご覧いただければ幸いです。


今回の「切り博」のテーマは、「Dream」すなわち「夢」でした。夢といえば、「希望」や「願い」、「欲望」や「野望」、空想など様々なことが連想されるかと思います。それらをひっくるめて自分なりの「夢のカタチ」を表現したのがこの2作品です。見ての通りこれらの作品は、対になる作品で両者が「補完しあう」というのもテーマになっています。

ナチュラル額の白を基調とした『wish』は‘’切なる願い‘’、‘’強く願うが叶いそうもない願い‘’を表現しています。女神や首から上が木の馬など、空想の生き物をモチーフにし、現実的には考えられない夢というような、いわゆる私たちが寝ている間に見る夢に近いものを表しています。水を作品全体のモチーフにしているのも、人間の‘’流れるような、止まることのない‘’願いを表現しています。煌びやかで透き通った幾重にもかたちを変える夢は私たちの身近に存在する「水」のようです。

一方で黒額のモノクロ風の『desire』は‘’夢を追い続けた先の危険性‘’または‘’夢を叶えた先の虚無感‘’を表現しています。機関銃や不気味な木々などのモチーフは現実世界の蔓延るリスクまたはオブストラクルです。何かを実現しようとする意志、欲望のままに行動することは常に危険と隣り合わせであるということを表してします。「虚無感」は夢に対するマイナスイメージです。夢が現実に変わってしまったときその先に何を目指すのか、人間の心の危うさです。ただ、個人的にそこに行きついてしまった夢は「偽りの夢」であると私は思っていますが…。desireという言葉を選んだ理由としても、「性的欲求」「実現可能なもの」への願望というニュアンスが強いためです。全体のモチーフは「火」です。これも私たちにとって便利で日常的なものですが、触れてはいけませんし危険であるイメージが強いかと思います。

二つの作品をまとめて、何が言いたいかというと「夢の実現は簡単じゃないですけど、もつことに意味があるじゃないか」ということです。冒頭にも説明した通り、2つは補完しあうということです。理想を追い続けることは想像・構想の広がりにもなりますが、それに伴い見えない危険もあります。夢への障害に嘆いたり、その先の不安を恐れたり、目先の欲ばかりに翻弄されてしまうことも私たち人間は少なくありません。しかし、確たる夢、自分しか叶えられない夢をもつことで、生きる意味、人生に光が見えるのではないかと私は思います。

長くなってしまいましたが、私はこの作品のこんな思いを込めて、作りあげました。この切り絵は特に実物でないと細部の線や色、陰影など写真ではわかりにくいのでぜひ実物をご覧になって頂きたいです。切り博が次回無事開催されることを切望します。今後もSNSなど随時更新していきますので、よろしくお願いいたします。